第7回『SO!今月の顔』
自分のスタイルで仕事を楽しむ「職人」
SO!今月の顔はSO!YotsuyaのOK FACTORY代表国重さんです。GW中の4月30日、四谷のオフィスにお伺いしてお話をお聞きしました。
国重さんは、エディトリアルデザイン(編集デザイン)という分野のデザイナーで、雑誌や書籍のレイアウトデザインを仕事にされている。 大学卒業後、以前から考えていた「本つくり」に関わる仕事をしたいと、「編集希望」で多くの出版社の採用試験に応募したが、残念ながら、狭き門の出版社からは、どこからも採用通知が届かず、新年度間際になって、「営業担当なら」と言う事で小さな出版社に入社が決まり、サラリーマン生活の第一歩をスタートさせたと言う。
OK FACTORY http://www.st.rim.or.jp/~kunisige/
その後、担当地区の書店回りの営業を4年やった頃、大手出版社の「編集デザイナー募集」の広告を見て、慣れてきた営業の仕事も悪くないけど、やはり、当初からの希望であった「本つくり」に関わる仕事をやってみたいと思い、デザイナーの仕事がよく分からなかったが、取り合えず、応募したところ運良く採用されとの事。しかし、通常の正社員としての採用ではなく、内部スタッフとして編集デザインの仕事を「請負う形」での変則的な採用だった。
国重さん:『小学生の頃、一番好きな学科は「図画工作」だったし、大学も文学部だったので、漠然と出版関係の仕事が出来ればと言う思いはありましたね。でも、専門的にデザインや編集を学んだ訳でもないので、デザイナーとしてのデビューは結構苦労しましたが、先輩や仲間の仕事振りを見様見真似で覚えて行きましたね!』
そうこうしながらも、入社後4年経った頃には編集デザイナーとしての実績も出来てきて、「請負契約」のお陰で、徐々に他社からの仕事依頼も増えてきたので、入社12年目の38歳の時、より自分が納得できる「雑誌つくり」をやってみたいと、思い切って、お世話になっていた大手出版社を退社し独立されたと言う。
このような独立への経緯だった国重さんには、幸運なことに、独立時の懸念事項の「収入不安」の心配は、あまりなかったようである。その後、独立後6年が経ち、現在はスポーツ関連の月刊誌2誌の制作にデザイナーとして関わり、仕事に追われる日々とのこと。
国重さん:『月刊誌の仕事は、当該誌が廃刊にならない限り、継続的に安定した仕事が入ってくるのが大変有難い!逆に、プロダクトデザインや広告デザインだったら、常に新しい仕事を受注していかなければならないので、そんな力がない私には無理ですね!』
と、笑っていましたが、そうは言っても、編集デザインの仕事はいつも「継続した安定収入」がある訳ではなく、継続的に安定した仕事(収入)を得るには、やはり、仕事人としての能力は勿論だが、発注者の信頼を勝ち得る「何か売り」があるハズだと思い、その辺をお聞きしたが、どうやら、国重さんにとっての「売り」は、自分の色々な趣味を「雑誌つくり」上手く活かしていると言うことのようである。
(座が一息入ったところで)
『デザイナーとイラストレーターには明確な違いがあるのですか?』とお聞きすると、『デザイナーとは、セオリーに基づき誰でも出来る「職人」、一方、イラストレーターは無から有を生み出す「作家」かな!』
その上で、編集デザイナーの「腕の見せ所」とは、当該雑誌のコンセプトや、その都度の編集責任者の意図するところを汲みながら、提供された記事や写真を基に、読者の興味を惹くような紙面を作り上げて行くことにあるとおっしゃっていた。
国重さん:『作家ではないから、自分の個性を出し過ぎては勿論ダメだけど、編集者の指示通りでも詰まらない!その辺の落しどころが難しいし、又楽しいところかな!』
この辺りを私なりに解釈させて頂くと、読者にアピールできる紙面作りには、デザイナー自身の興味のレベルや知識の多寡がものを言う。そうでないと、本当に読者の興味を惹くような、面白い内容に仕上げることは出来ないのだろう。
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国重さんは、スキー、スノボー、草野球、マンテンバイク、テニス、などのスポーツを中心に、音楽関連やウクレレなどの楽器演奏など幅広い趣味を持っている。現在、デザインを請負っている下記の月刊誌2誌は、共に、スポーツ関連の雑誌であり、共に国重さんが大好きなスポーツ分野である。
◇ベースボールマガジン月刊『Hit&Run』&自転車愛好者の雑誌月刊「funride」
草野球チームは、現在5チームに所属しながら毎月5~6試合に出場しているし、マウンテンバイク(MTB)は日本にMTBが入ってきた事からずっと愛好者だった。 それで、「funride」の仕事は、7年程前に自分から売り込んで受注した仕事だと言う。
毎月月刊誌2誌の編集デザインをこなすのは、結構、スケジュール的には大変な様であるが、
国重さん:『自分が好きなことや趣味に関わる仕事をやらせてもらえて、正直、仕事が楽しいですね。』
Q.今後、新しい雑誌をやるとしたら、どんな分野がよいですか?
国重さん:『そうですね、スキーやスノボー関連をやってみたいですね。でも、スキー人口が減っているので難しいかな』
と、残念そうであったが、今回のインタビューを通して感じたことは、専門的にデザインや編集を学んだ訳ではないのに、「雑誌つくり」をやりたいと言う「思い」と、自分の好きなことが上手く繋がって、狭き門の編集デザイナーの仕事を20年近くも続けてこれたと言う意味では、国重さんは大変幸運な「職人さん」なのである。しかし、取材の最後にプロフィール用の写真撮影を依頼した時に、『今日は普段着なんだけど、まあ、こんな感じで良いかな?」と、自然体で気楽に応じて頂いたが、この辺りの気負いのない人柄が、案外、出版社や編集者に長年買われてきた「秘訣」なのかもしれないと言う気がした。
最後に、恒例なので、入居後一年経過してのSO!の感想をお聞きした。
『今の仕事は、パソコンさえあれば自宅でもどこでも出来るが、SO!には色々な職種の人がいて楽しいし、住居と違ってオフィスだから、やはり集中して仕事モードになれるのが良いですね!』
GW中の貴重なお時間、大変有難うございました! (SO!Nagaya 北村)
投稿者 kitamura : 2009年05月04日 17:29
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