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カテゴリー:独り言 2008年10月03日

振り込め詐欺について

随分前から何度もマスコミで報道されてきたから、そろそろ騙される人が減ってきて下火になってきたのかと思っていた「振り込め詐欺」とか、「オレオレ詐欺」が、下火どころか益々被害総額が増えてきているようで、2008年の1~4月の被害総額は全国で112億円となり、警察庁は、今月10月を「振り込め詐欺」の対策強化月間にしたとの事である。

我が家にも何度か、息子を装って、その手の電話があったようである。勿論、被害はないが、先日は、私が自宅にいた時に、『佐川急便ですが、、、○○さんいらっしゃいますか?』と言う電話があり、息子宛の荷物が届いたが法律が変わってご本人しか受取れないと説明をしながら、息子のこと(?)を色々聞き出したい様子であった。『そんな法律が出来たとは聞いていないけど、あんた本当に佐川急便の人?』と、強く言ったらその場で電話が切れた。

まあ、我が家のことは兎も角、この手の詐欺の被害者は年配の方と言うか、おじいちゃん、おばあちゃんが多いのだろう。いくら緊急を装っても、何百万とか何千万円のお金を十分確認もせずに銀行振込みしたり、銀行振込金額に限度が設定されると、『バイク便のおにいさんに受け取りに行ってもらうから現金で渡して欲しい』と言われ、取りにきたバイク便の人に何百万円もの現金を手渡しすると言う事は、普通では考えられない話である。

このような被害の報道を聞く度に、老人は何で簡単にお金を振り込むのかと、或いは、とんでもない愚かな金持ちが居るもんだとか、馬鹿らしくなったり情けなくなったりするが、先日、娘の結婚式を終えた今、その心理が私にも少し分かる気がする。娘に嫁がれた父親の「よく分からない寂しさ」とは、よく考えれば、父親としての自分の役目が終わってしまった「寂しさ」なのではないかと思える。

そう考えると、おじいちゃんやおばあちゃんが、この手の詐欺にいとも簡単に引っかかると言うのも、親馬鹿とか、孫可愛さの為に判断力を失くしたとかの理由より、むしろ、突然かかって来た息子や孫の「緊急事態」に、久し振りに「自分の出番」が来たという思い(=嬉しさ)の方が大きいからではないかと思う。

若くてもそうなのだが、社会の活躍の場が急激に減ってくるお年寄りは、生甲斐を見出すという意味で、若い世代以上に自分の活躍の場は貴重であり重要なのである。従って、突然、かかってきた不自然な電話に対しても、「これはどこか変だぞ!」と薄々気付きながらでも、役者の晴れ舞台のように、自分を頼ってきた息子や孫に応えてあげたいと言う心理が働くのだろうと思う。

岸田秀風に言えば、本能を失くしてしまった人間は、生きる意味(物語)を自分で生み出して行かなければならないと言うから、我々は、老いも若きも、男も女も、人間として生きている限り、他人から頼れてたり、喜ばれたりしながら、「自分が必要な存在」で居続けなければならない。時には騙される事が解っていてもである。 役目を終えたと意識させられた父親の心が急激に寂しくなるのも同様であろう。

 

 

 

 

投稿者 kitamura : 2008年10月03日 00:21

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