| カテゴリー:ビジネス一般 | 2008年07月31日 |
「もったいない」とシェアビジネス
今回は、シェアをテーマとした事業はビジネスになり得るか?と言う問題を考えてみたい。
「SO!」と言うシェアオフィスを都内6ヶ所で事業展開してきて、今更という気がしないでもないが、先日、当ブログでご紹介した通り、先週末土曜日(7/26)、丁度汐留のSO!長屋で「井戸端納涼祭」を開催した日、朝日新聞の朝刊「Be」版で『もったいないが広げるシェアリングの輪』という特集記事が掲載され、その中の空間のシェア事例として「SO!Shiodome139」が取上げられた。
そこで、シェアオフィスを4年以上事業展開してきて、この機会に、我々日本人には伝統的意識として馴染んできた「もったいない」と言う事とシェア(共有や共生)との関係を考えてみようと思った次第である。シェアは「もったいない」の精神を土壌や背景として拡がってきたとした場合に、そのビジネスは果たして収益を目的とした現代のビジネスコンセプトに合致するのかどうかと言う事である。
我々が子供の頃と言えば、昭和30年代になるが、その頃は、両親は勿論、周囲の大人から、何かにつけて「もったいない!」と言う事をいつも聞かされていた。食べ物を残したり無駄にした時だけでなく、例えば、頭の良い子供があまり勉強しない時や、家の手伝いもしないでブラブラしている時にさえ、「もったいない」と言われた。
要するに、物でも人でも能力でも、無駄に遊ばしたりして、それが本来有する能力を十分に使っていない状況は、すべて「もったいない!」と言う事である。
ビジネスに於いては、お金や物の活用、人材の活用、空間の有効利用等、その機能を十分活用出来ない場合は、まさに「もったいない」と言うことなのである。 そこで、空間を有効利用すると言う事は、その空間をどんな施設にすれば一番有効なのかと言う事と、同時に、その施設を無駄なく活用するには、出来る限り空き時間を無くす事を意味するが、どんな施設を作るかの点では、SO!がめざしてきたシェアオフィスやシェアサロンと言う形態は、一つの有効な形態であると思われる。そして、出来るだけ空き時間がないように活用すると言うことでは、入居会員以外の外部の方々にも会議室やイベント施設として利用して頂くける「SO!のレンタル会議室」は的を得た「仕組み」だと思っている。
そう考えると、シェアオフィス事業を始めた当初から「もったいない」という考え方がハッキリあった訳ではないが、案外、私自身や仲間の中に、知らず知らずに、そんな意識が働いていたのかもしれない。
しかしながら、このように、物や人を無駄にしないで活かす為には、みんなで共有するとか、助け合うなどの共生思想がベースとなっている為、これが、利潤を追求するビジネスとして、上手く馴染むかどうか?ということになるとかなり難しい問題であると言わざるを得ない。
「儲ける」気持ちが強すぎると、シェア(共生)をテーマとした事業は上手く行かない気がするのである。
ここに、シェアビジネスの本当の難しさがある。
それでは、シェアビジネスとは一体何なんだと言うことになるが、それは、朝日新聞の記事のように、もったいないと言う気持ちで、人や物や資源を大切に無駄なく利用することを第一義とし、その共生の場を通して、利用者の仕事や暮らしが豊かになるお手伝いをする事業と考えるしかない。 だからと言って、SO!は「NPO」ではなく収益事業には違いないが。
「収益が上がらないものは事業とは言わない」と言うのも、事業者にとっては重要な言葉であるが、シェアビジネスに於いては、最初に「儲け」ありきでなく、収益はその結果であり、大きな収益をめざす事は根本的に自己矛盾なのかもしれない。
しかし、シェアビジネスでは、「金銭的な成果」の代わりに、多くの人との出会いや交流に恵まれ、いづれ、豊かな人材の集う場所として人的な果実を生み出す。競争や格差社会のアンチテーゼとして、これからは、仕事にも暮らしの場にも、このような多くの人が共生する場は不可欠となるだろうし、逆に、そこから新しいビジネスの形が見えてくることも期待できると思う。
シェアをテーマとしたビジネスとは、このような、人との出会いや交流を第一義とした新しいビジネスの形であるようだ。
投稿者 kitamura : 2008年07月31日 14:08
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